読書「アウトプット大全」

みなさんは、記憶力がいいほうですか?私はかなり悪いと自覚していて、どうすれば記憶力を鍛えられるのかと真剣に悩んでいた、ある日のことです。読書家の父が「アウトプットが重要だ」と教えてくれたものの「え?アウトプットって何がそんなに重要なんだろう?」でもその時は聞けませんでした。なぜなら父は、自分で調べる努力もせず質問することをよしとしないからです。「まずはググれ。」「調べてそれでもどうしてもわからないことは聞いてきなさい」こう言われることが分かっていましたから。

後日妻と書店へ行くと、入口付近に大量に並んでいる本書を見て、これだ!とすぐに購入しました。しかも、面(表紙のデザイン)がどストライクでした!デザインって大事ですね。

 

この本はこんな方へオススメします

  • 記憶力が悪いと思っている方
  • 記憶の仕組みを論理的に知りたい方
  • 時間が足りないと感じている方
  • 自分の意見をうまく伝えたい方
  • 仕事や勉強の成果をもっと出したい方
  • 苦手な分野を把握して強化したい方

 

 

「できる人ほど、アウトプットを重視している」

「人生を変えるのが、アウトプットだけ」

 

力強い言葉で始まる本書の著者は、精神科医の樺沢紫苑さん。作家として28冊の本を出版、毎月20冊以上の読書を続けているそうです。ある時、自身が「いくらインプットしてもちっとも成長していない」ということに気づき、その後は意識的にアウトプットを強化したそうです。そのアウトプットの一部紹介しています。

 

メルマガ、毎日発行 13年

facebook、毎日更新 8年

youtube、毎日更新 5年

毎日3時間以上の執筆 11年

年2~3冊の出版 10年連続

新作セミナー 毎月2回以上開催 9年連続

 

数万時間を超えるアウトプット経験をもとに確立した、圧倒的に結果が出せる「アウトプット術」その全てをお伝えするというものです。

 

この本を紹介することにより、私自身「アウトプット」の重要性を理解し、生涯活用していきたいと思います。では、「アウトプット」がなぜ重要なのか、一緒に理解を深めていきましょう。

 

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

 

 

【目次】

 

・アウトプットの定義

そもそも「インプット」と「アウトプット」とはなんなんでしょうか?インプットとは脳の中に情報を「入力」すること。アウトプットとは脳の情報を脳内で処理し外界へ「出力」することです。具体的にはこうです。

インプット→読む、聞く

アウトプット→話す、書く、行動する

 

・自己成長とアウトプットの関係

成長曲線はアウトプットの量で決まるといいます。どういうことでしょう?「月3の読書」と「月10冊の読書」どちらが成長すると思いますか?本をたくさん読むほうと誰しも考えます。しかし「3冊読んで3冊アウトプットする人」と「月10冊読んで1冊もアウトプットしない人」はどうでしょう?著者は間違いなく「3冊読んで3冊アウトプットする人」。なぜならいくらインプットしてもアウトプットしない限り、記憶として定着しないからだと断言しています。

 

ある実験をされたそうです。ある有名な本を読んだことのある30人に「その本はどんな内容でしたか」と質問したところ説明できたのはたった3人。9割の人は本を読んだり抗議を受けたりしても「わかったつもり」になっているだけで、実際は知識として定着していませんでした。つまり、インプットはただの「自己満足」とし、「自己成長」はアウトプットの量に比例すると説明しています。

 

先ほど「読む」「聞く」がインプット、「話す」「書く」「行動する」がアウトプットと説明がありましたが、その違いはなんでしょうか?アウトプットは「運動」であるということです。「書く]「話す」といった運動神経を使った記憶は「運動性記憶」と呼ばれ、運動性記憶の特徴は、一度覚えるとその後はほとんど忘れない。3年ぶりに自転車にのったら乗り方をわすれていたということはないはずです、と言われるとなるほど腑に落ちますね。脳科学的に理解を深めたい方はこちらをご覧ください。

筋肉や腱を動かすと、その運動は小脳を経て、海馬を経由し、大脳連合野に蓄積されます。小脳を経由するので、ので、経路が複雑になり、多くの精神細胞が働くことで記憶に残りやすくなる。だから、一度覚えたら忘れにくいという特徴があるのです。

 【ここでの学び:インプットしたものはすぐアウトプットする習慣をつける】

 

・アウトプットの基本法

2週間に3回使った情報は、長期記憶される

人間の脳は、「重要な情報」を長期記憶として残し「重要でない情報」は忘れるように作られているそうです。インプットしてもその情報を何度も使わないと、すぐに忘れてしまいます。脳に入力された情報は「海馬」というところに仮保存され、その期間は2~4週間。その仮保存期間中に、その情報が何度も使われると、脳はその情報を「重要な情報」と判断し、「側頭葉」の長期記憶に移動するそうです。

だいたいの目安としては、情報の入力から2週間で3回以上アウトプットするとよいといわれているそうです。

 

出力と入力のサイクル【成長の螺旋階段】

これはどういうことでしょうか?インプットしたらアウトプットする。アウトプットをしたら、またインプットする。どんどん繰り返すことによって螺旋階段を上るように徐々に成長するというものです。

 

インプットとアウトプットの黄金比は3:7

大学生やセミナー参加者の「インプット」「アウトプット」にかける時間を調べたそうです。結果、7:3で「インプット」中心の勉強をしていることが分かったそうです。一方、コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ博士の実験と結果はこうです。

〝小3から中2までの100人以上の子供たちに「紳士録」(人名図鑑)に書かれた人物プロフィールを覚えて暗記するうように指示しました。子供たちに与えられた時間は9分間、そのうち覚える時間と練習する時間の割合はグループごとに異なる時間が指示されました。〟

最も高い結果をだしたのは、約40%を「覚える時間」に費やしたグループでした。年長の生徒になると「覚える時間」が少なくて済むようになり「覚える時間」に約30%の時間を費やしたグループが高得点をとったそうです。すなわち、インプット3に対し、アウトプット7の時間の使い方が、最も記憶に残るという実験結果が出たわけです。

 

アウトプットの結果を見直し、次にいかす

インプットとアウトプットとともに重要なことが「フィードバック」。アウトプットして得られた結果を評価し、その結果を考慮して次のインプットに修正を加えるという作業だそうです。「フィードバック」を具体的にいえば、見直し、反省、改善、方向修正、微調整、原因究明などを挙げています。

ここでのポイントは、失敗した場合の原因と対策だけではなく、成功した場合の「うまくいった理由」を考え、さらにうまくいくように工夫する。ということです。

 

【ここでの学び:アウトプットはインプットの2の倍時間をかける】

【ここでの学び:うまくいったときも、失敗したときもその【理由】を考える】

 

・効果的なフィードバック4つの方法

フィードバックの習慣がない人、何を反省して何を次の行動につなげていくか、方向性がまったくわからないという読者へ、効果的なフィードバックの4つの方法を紹介しています。

 

⑴短期克服と長所伸展

言葉からも連想できるように、要は長所を伸ばし短所を克服する、成長にはこの2つがあります。著者はまず長所を伸ばすことを優先させ、自信をつける。勉強の「楽しさ」を感じることが重要だといっています。「短所克服」には精神力と時間を要しますが、より大きな成果をもたらすと解説しています。

 

⑵広げると深める

学びを進めていく場合その方向性は「広げる」「深める」の2つの方向性しかありません。そのなかで最初はある程度「広げる」勉強をおすすめています。

 

⑶「なぜ?」を解決する

インプットしてアウトプットすると必ず「疑問」が生まれます。そうした「なぜ」は放置してはいけません。「なぜ」を突き詰めるとその先に「気付き」が見えてくる。それを解決し乗り越えることが成長です。疑問が生じたらまずはネットで検索してみる。あるいは別の本でさらに深めてみる。疑問を自分で解決できる人は、成長のスピードが速く、疑問を自分で解決できない人は、いつまでも「今のステージ」から脱出できません。「なぜ」は放置しないで、今すぐ解決するクセ付けを推奨しています。

 

⑷人に教えてもらう

 最も効果的なフィードバック法は「人」からアドバイスをもらうこと。先生、教師、上司、専門家、コーチ、監督、コンサルタント、メンターなど、自分よりも知識や経験の多い人からアウトプットに対して適切なアドバイスがもらえると弱点、欠点の修正にもつながり、飛躍的に成長するきっかけとなります。ここでポイントを挙げています。なんでもかんでも質問すればいいというものではないということです。自分なりに

疑問、問題点に対する探究を進めておく。「なぜを解決する」をしっかりやっている人ほど、そこから一歩先のアドバイスをもらえます。簡単なことばかり質問していると、基本的なことを教えてもらうだけで終わってしまうので、成長につながらないというものです。

【ここでの学び:疑問は今すぐ解決するクセ付けをする】

【ここでの学び:なぜ?を人に教えてもらう前に自分で解決する努力が重要

 

・アウトプット6つのメリット

 アウトプットをすることで、得られるメリットは?ここでは「アウトプットを頑張ろう!」という気持ちが湧くような、メリットを簡単にまとめます。

⑴記憶に残る

インプットされただけの情報は忘れてしまう。しかし、アウトプットすることで脳はそれを「重要な情報」と判断するので記憶に残る。

⑵行動が変わる

アウトプットは「話す」「書く」「行動する」。アウトプットとはすべて「運動」であり「行動」です。アウトプット後にフィードバックすることで、行動はよりいい方向へレベルアップする。

⑶現実が変わる

自分の行動が変わると、周囲の人たちにさまざまな影響が表れて、現実が変わる。仕事がより効率的になったり、人間関係が円滑になったり、現実世界がポジティブな方向に動き出す。

⑷自己成長する

インプット、アウトプット、フィードバック、このサイクルをとにかく繰り返すことで、確実に自己成長の階段を上っていける。

⑸楽しい

ここまでくると、アウトプットが楽しくてしょうがないはず。ポジティブなアウトプットをすると人から評価され、褒められ、信頼される。だから、もっとアウトプットしたくなり、モチベーションも上がる。

⑹圧倒的な結果が出る

自己成長が進み、現実がどんどんいい方向に変化していく。職場での評価はあがり、大きな仕事を任せられるようになり、昇給・昇進する。人間関係は円滑になり、職場の仕事がやりやすくなる。恋人はパートナーができ、さまざまなポジティブな結果が連鎖的に起こり、人生は楽しく、豊かなものへと変わる。

 

まとめ

本書の良いところは、まず「アウトプットの重要性」が論理的に理解できます。そして意欲が高まったところで、意気揚々と課題に向かっていけました。具体的なテーマが80も用意されていて、自分の苦手な項目を重点的に強化できます。本書のオススメの使い方は「できていないな~」ってところはドッグイヤーで印をつけ、何度も読み返す。「よし!身についたな」と思ったらドッグイヤーを解除!そうすれば「なにが苦手だったのか」「どれだけ習得できたのか」というように「自己成長」が分かり、私もモチベーションがあがりました!

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本書の使い方は、ドッグイヤーがオススメ!

これからは、アウトプットを習慣化し、自己実現に向けて努力を続けていきます。

 

御覧いただきありがとうございました。

これからも皆さんに役に立つ内容を書いていきます。